「英語を勉強したい」と思っているのに、なかなか続かない。これは、意志が弱いからなのでしょうか。

新しい学習を始めるとき、多くの人はやる気に注目します。しかし、やる気は毎日同じではありません。忙しい日、疲れた日、自信をなくした日にも続けるには、意志の強さだけでなく、行動しやすい環境が必要です。

ONDENが注目しているのは、「決まった時間に、誰かが待っていて、自分の声を聞いてくれる」という環境です。この記事では、人とのつながりが学習の継続を支える可能性を、心理学と教育研究から考えます。

「やりたい」と「実際にやる」の間には、
距離がある

「毎日、英語を音読しよう」と決めても、それだけで行動できるとは限りません。始める時間を逃したり、別の用事を優先したりしているうちに、一日が終わってしまうことがあります。

目標研究では、「いつ、どこで、何をするか」を具体的に決める 実行意図(implementation intention) が、目標達成を助けることが報告されています。94の研究をまとめたメタ分析でも、状況と行動を結びつける計画が、行動の開始や継続を支えることが示されました(Gollwitzer & Sheeran, 2006)。

「時間があれば読む」から、
「午後8時になったら、Coachに電話して読む」へ。

ONDENの固定された短い時間は、音読を「いつかすること」から「予定された行動」へ変えます。電話が習慣を保証するわけではありませんが、始めるきっかけをはっきりさせる可能性があります。

1.誰かが待っていると、
約束が行動のきっかけになる

一人で行う学習は、延期しても誰にも気づかれません。一方、相手との約束があると、音読の時間は自分だけの予定ではなくなります。

ここで大切なのは、強く監視することではありません。プレッシャーが大きすぎると、失敗への不安や義務感が増え、かえって学習を避けることもあります。

ONDENが目指すのは、監視ではなくやさしい約束です。できなかった日を責めるのではなく、次にまた戻ってこられる関係をつくります。

2.「つながっている感覚」は、
学ぶ意欲を支える

自己決定理論では、人がより自律的に行動するための基本的な心理的欲求として、次の三つが挙げられています。

これらが満たされる環境は、質の高い動機づけや持続的な取り組みを支えます。特に関係性について、安心できるつながりのある環境では、内発的な意欲が育ちやすいと考えられています(Ryan & Deci, 2000)。

ONDENでは、学習者が読む教材を選び、Coachはその声を受け止めます。「正しく話せたか」だけではなく、「今日も声を届けられた」という経験を積み重ねます。

3.励ましは、「自分にもできる」を
少しずつ育てる

自己効力感(self-efficacy)とは、ある行動を自分は実行できるという感覚です。英語学習でも、自己効力感は学習行動や成果と関係する重要な要素として研究されています。

大学レベルの英語学習者198名を対象にした研究では、自己効力感と学習方略の使用との関連が報告されました(Shi, 2018)。ただし、関連があることは、励ますだけで英語力が伸びるという意味ではありません。

自己効力感を支えるうえで重要なのは、根拠のない称賛ではなく、小さな達成を本人が認識できることです。

Coachの役割は、学習者を評価し続けることではなく、こうした変化を一緒に見つけることです。

4.「聞くこと」と「教えること」は、
同じではない

英語教育では、間違いを訂正することが重視されがちです。もちろん、正確さを高めるためのフィードバックは必要です。しかし、話すたびにすべてを直されると、「間違えないこと」が目的になり、声を出すこと自体が怖くなる場合があります。

ONDEN Coachは、教師の代わりではありません。学習者が準備した英文をまず最後まで聞き、努力や変化に気づき、必要に応じて次の小さな一歩を示します。

教える前に、聞く。
直す前に、声が届いたことを大切にする。

この姿勢が、英語を声に出す心理的なハードルを下げるのか。これもONDENが確かめたい重要な問いです。

では、誰かに聞いてもらえば、
必ず続くのか

答えは、まだ「必ず」とは言えません。

継続には、教材の難易度、生活時間、体調、学習目的、Coachとの相性など、多くの要因が関わります。相手がいることが負担になる学習者もいるかもしれません。また、目標設定や関係性に関する一般研究の結果を、そのままONDENの効果とみなすことはできません。

だからこそ、ONDENでは、実際の参加者の継続状況、英語力、自信、体験の変化を記録し、「誰に、どのような条件で役立つのか」を検証します。

ONDENが検証する問い

まとめ

学習が続かないとき、必要なのは「もっと頑張ること」だけではありません。続けやすい環境をつくることも大切です。

  • 決まった時間が、行動のきっかけになる
  • 人とのつながりが、学ぶ意欲を支える
  • 小さな達成と励ましが、「自分にもできる」を育てる
  • 責められずに戻れる関係が、長い継続を支える

一人でもできる音読を、
一人では続けなくてよい学習へ。

ONDENは、「聞いてくれる人」の存在が学びをどう変えるのかを、実践と研究から探究します。

参考文献

  • Gollwitzer, P. M., & Sheeran, P. (2006). Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119.
  • Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000). Self-Determination Theory and the Facilitation of Intrinsic Motivation, Social Development, and Well-Being. American Psychologist, 55(1), 68–78.
  • Shi, H. (2018). English Language Learners’ Strategy Use and Self-Efficacy Beliefs in English Language Learning. Journal of International Students, 8(2), 724–741.